美容の悩み

シミやそばかすができる原因は?シミの種類を知って早めの対策を!

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毎日、鏡を見るたびに気になるシミ。目の周りにある細かいシミ、吹き出物の跡がいつのまにか定着してしまったシミ、そしてだんだんと大きく濃くなっていく頬のシミ…。このように、シミといってもさまざまな種類があり、原因や対策、そしてできてしまった後のケアの方法も異なります。
そこで今回は、シミの種類と原因にフォーカスし、それぞれの対策をご紹介します。

※本記事における「浸透」「導入」とは、角質層までの浸透・導入のことを指します。
※本記事における「美白」とは、メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐことを指します。

この記事の監修者

 

コッツフォード良枝
山梨大学医学部卒業後、日本医科大大学付属病院麻酔科学講座入局ののち、大手美容外科、野本真由美クリニック東京院の院長を経て、銀座禅クリニックの院長に就任。

シミとは?

肌や髪の色を決めるメラニン色素。メラニンには、ユーメラニン(黒色メラニン)とフェオメラニン(赤~黄色メラニン)の2種類があり、その比率によって肌や髪の色に違いが生まれます。
メラニンはメラノサイトと呼ばれる細胞から発生し、新陳代謝によって排出されますが、過剰に発生することで表皮にとどまり、シミになるのです。

メラニンは体を守る大切な役割がある

一見、厄介ものに思われがちなメラニンですが、人が生きる上で重要な働きがあります。
メラニンは紫外線を吸収し、皮膚がんや光線過敏症などの疾患を予防し、人体を守っており、肌の黒い人に皮膚がんが少ないのは、黒色メラニンが多いからといわれています。このことからもわかるように、メラニン自体は決して悪者ではないのです。
メラノサイトを過剰に活発化させないこと、ターンオーバーを正常に保つことができれば、シミが肌に残ることもありません。

シミができる原因とは?

シミを予防、もしくはできたシミを今以上に増やさないためには、シミの発生原因を知ることが重要です。続いては、シミが発生する主な原因について見ていきましょう。

紫外線

太陽光に含まれる紫外線を浴びると、肌の奥にあるメラノサイトからメラニンが発生します。メラニンは通常、肌の正常な新陳代謝によってはがれ落ちますが、過剰に蓄積するとシミになってしまいます。

加齢

人間の皮膚には、肌の奥でできた細胞が表皮になってはがれ落ちる「ターンオーバー(新陳代謝)」という仕組みがあります。ターンオーバーのサイクルは、一般的に約28日といわれていますが、年齢を重ねるとその周期が長くなり、表皮に現れたシミが残りやすくなります。

女性ホルモンのバランスの変化

妊娠や出産、更年期、ストレス過多が引き金となり、女性ホルモンのバランスが乱れると、一時的にメラニンが多く発生し、肝斑ができやすくなるといわれています。

活性酸素の増加

生活習慣が乱れたり、ストレスを感じたりすると体内に活性酸素が過剰に発生します。活性酸素はメラノサイトを刺激してメラニンの発生を促すため、シミの原因として認識すべきもののひとつです。

物理的な刺激

吹き出物をつぶしたり、かさぶたをはがしたり、肌に物理的な刺激が加わると、肌を保護しようとしてメラニンが多く発生し、シミとして肌に出現します。

腎臓や肝臓などの疾患

腎臓や肝臓の機能に問題がある場合にも、シミができることがあります。また、服用している薬の影響で、シミが出ることもあります。気になる場合は、医療機関を受診しましょう。

シミにはどんな種類がある?

シミには大きく分けて、先天性のものと後天性のものがあります。先天性のものは太田母斑(おおたぼはん)や扁平母斑(へんぺいぼはん)など、アザと呼ばれるシミのほか、そばかすも遺伝的な原因で起こるといわれています。
後天性のシミには、老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)や肝斑(かんぱん)などがあります。それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん)

老人性色素斑(ろうじんせいしきそはん、日光黒子と呼ぶことも)は、紫外線を浴びるとできるシミで、頬やこめかみなどに、数ミリから数センチの大きさで出現します。顔面だけでなく、手背・前腕など日光(紫外線)があたる場所は老人性色素斑の好発部位です。30代以降にでき始めることが多く、加齢とともに数が増え、色も濃くなっていきます。

そばかす

そばかす(雀卵斑)は、幼児期からでき始める若年性のシミです。5~6歳頃から出現し始め、思春期に濃くなり加齢とともに薄くなっていく傾向があります。頬の両側に小さな斑点状のシミが多数現れるのが特徴です。
遺伝的な要因のほか、紫外線も影響しているといわれています。顔以外に、背中や肩、腕、手など、紫外線があたりやすい部位にも出現します。

肝斑

肝斑(カンパン)は、更年期や産後の女性ホルモンの乱れなどが原因とされており、両頬にできる薄茶色のシミのこと。一般的に、30代以降に増えやすくなるシミです。摩擦や紫外線も、肝斑を悪化させる要因となります。

炎症後色素沈着

炎症後色素沈着は、吹き出物や虫刺され、傷やかぶれなどの炎症が引き起こす色素沈着のこと。吹き出物をつぶした跡が、そのままシミになってしまうようなケースです。

できてしまったシミを改善する方法

シミは、紫外線や加齢などの要因が、単一ないしは複雑に絡み合い、メラニンが過剰発生してできてしまいます。それを防ぐには、肌のターンオーバーを正常化させ、良いサイクルを保つためのケアが大切です。具体的にどのような方法があるのか、見ていきましょう。

美容医療

専門家ではない人が、シミの種類を正確に判別することは難しいものです。判断が難しい、もしくは治療が必要かと不安を感じたら、専門家の判断を仰ぐのが一番。皮膚科を受診するといいでしょう。

シミ対策の化粧品

ビタミンC誘導体やトラネキサム酸などは、厚生労働省が「メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」効果があると認めた成分です。このような成分が配合されている化粧品や医薬部外品を、用法用量を守って継続的に使いましょう。
有効成分を含む化粧品を用いて丁寧にケアを続ければ、シミ予防に効果的です。

保湿ケアや乾燥対策

肌が乾燥するとバリア機能が低下し、刺激を感じやすい状態になります。そこに外部刺激が加わると炎症を起こし、シミになってしまうことがあるのです。
保湿はターンオーバーサイクルを整える、スキンケアの基本。できてしまったシミがしっかり排出されるよう、保湿で健康な肌の土台を作りましょう。

ビタミンCなどの肌に良い成分を摂取する

ビタミンCにはメラニンの沈着を防ぐ作用や、「還元」といって黒色メラニンを淡色化させる作用があります。ビタミンAも、ターンオーバーを促しメラニンの排出を促す効果があります。

ビタミンCは一度に大量摂取しても、体に貯蔵できない栄養素です。一方、ビタミンAは一度に過剰摂取すると健康被害を招く場合があります。日頃の食事からこまめに、継続的に適量摂取を心掛けてください。食事で不足しがちな栄養素は、サプリメントを活用するのもひとつの方法です。

「シミは作らせない」がケアの鉄則

シミはできてしまうと、改善に時間がかかってしまうもの。シミはできてしまってからケアをするよりも、できないようにする、「作らせない」ケアが重要です。具体的なケア方法や対策について確認してみましょう。

日焼け止め対策

「日焼け止めは夏だけすればいい」と思っている人は要注意。紫外線は晴れた日も雨の日も、365日降り注いでいます。まずはどんな季節・天候でもUVカット効果のある日焼け止めや化粧下地をつける習慣をつけましょう。汗をかく季節は、こまめな塗り直しも必要です。

また、物理的に太陽光線をシャットアウトすることも有効です。日傘や帽子、アームカバーなどはもちろん、目からも紫外線を吸収してしまいますので、サングラスやUVカットメガネも活用してください。

スキンケアでしっかり保湿する

乾燥はシミだけでなく、すべての肌トラブルの大きな原因のひとつです。適切な保湿を心掛けることで、肌のバリア機能を高め、ターンオーバーを正常化することができます。
洗浄力が高すぎるクレンジングやピーリングのやりすぎなど、間違ったスキンケアが乾燥のきっかけになることもあります。美肌をキープするためには汚れをしっかり落とすことも大切ですが、肌のバリア機能を損なうようなケア方法では、シミの予防の観点からも本末転倒です。優しいケアを心掛けましょう。

美容機器によるスペシャルケア

毎日お手入れしていても肌の状態が変わらないときは、美容機器に頼るのもひとつの方法です。美容成分の浸透促進や、肌の深部を温めて血行促進をサポートしてくれるため、お手入れの効率が高まります。

美顔器でのシミケアについては、こちらの記事もご覧ください。
美顔器でシミケアはできる?シミの原因やケア方法を徹底解説

睡眠不足や睡眠の質

「睡眠に勝る良薬なし」は、肌にとってもいえることです。ストレスを抱え込まないためにも、お風呂や趣味にいそしむなどリラックスした時間を持ち、睡眠の質を上げることを意識しましょう。

摩擦など肌刺激にも注意

生活習慣の中にも原因が隠れていることがあります。例えば、洗顔はたっぷりの泡で優しく洗う、タオルでゴシゴシ拭かないなど、摩擦を減らすことも重要です。

シミを作らせないためのスキンケアを

シミの改善や予防には、UV対策と基本のスキンケアが何よりも重要です。それには、食事や睡眠、丁寧なスキンケアなど、小さな積み重ねが一番の近道。
毎日のお手入れで、年齢を感じさせないクリアな美しい肌を目指しましょう。

この記事の執筆者
美顔研究所 編集部
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