大人ニキビの原因は?予防とニキビケアのポイント
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主に20歳を超えてからできるニキビを「大人ニキビ」といいます。10代の頃にできる思春期ニキビとは異なり、頬や顎、首などのフェイスラインにもできやすいのが特徴です。大人ニキビは一度できるとなかなか治りにくい上、悪化するとニキビ跡になってしまうこともあります。大人ニキビの予防や改善には、原因に応じた正しいケアが欠かせません。
ここでは、大人ニキビができる原因やその種類のほか、大人ニキビの予防法や、できてしまったときの対処法について解説します。
※本記事における「浸透」「導入」とは、角質層までの浸透・導入のことを指します。
※本記事における「美白」とは、メラニンの生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐことを指します。
この記事の目次
この記事の監修者

中川 桂
シロノクリニック恵比寿勤務、日本抗加齢学会専門医
2008年関西医科大学卒業後、麻酔科専門医取得。
2015年より美容の道へ進み、しみ・しわ・たるみなどの美容皮膚科領域、アンチエイジングのためのプチ整形・ホルモン療法など多数の患者様を担当する。
ニキビの基本を知ろう
ニキビは、詰まった毛穴の中でアクネ菌が増殖することによって起こる皮膚の病気です。肌には「ターンオーバー」と呼ばれる新陳代謝の仕組みがあり、古くなった角質は垢となってはがれ落ちます。しかし、何らかの原因によってターンオーバーが乱れると、古い角質が肌にとどまって毛穴をふさいでしまうのです。また同様に、過剰に分泌された皮脂も、毛穴を詰まらせる原因となります。
このように、詰まった毛穴の中では、アクネ菌が増殖しやすくなります。アクネ菌は皮膚表面などに存在する常在菌で、通常は肌を守る働きをしていますが、皮脂の多い環境では過剰に増殖してしまいます。このアクネ菌の増殖に対抗するために体が炎症を起こし、赤くなったり膿ができてふくらんだりした状態がニキビです。
20代以上になってできる大人ニキビ
20代以上になってできるニキビを、大人ニキビと呼びます。成長期の過剰な皮脂分泌が原因でできる思春期ニキビとは異なり、大人ニキビができる原因は複雑で、生活習慣なども関係します。そのため、1度できると治りにくかったり、何度も同じ場所に繰り返しできたりすることも珍しくありません。
大人ニキビは、頬や顎、口周りなどの顔の下部分のほか、首などのフェイスラインにできやすい傾向があります。ポツポツと目立つ上、ニキビ跡も残りやすいので、適切なケアを行うことが必要です。
大人ニキビができる原因
ニキビが発生する仕組みは、思春期ニキビも大人ニキビも同じです。しかし、ニキビができる原因に目を向けると、大人ニキビの場合、ライフスタイルにも関係するいくつもの要素が複雑に絡み合っていることもあります。正しいニキビケアを実践するためにも、まずは大人ニキビができる原因を知っておきましょう。
間違ったスキンケア
毎日のスキンケア方法が間違っていると、肌をケアするどころかかえってニキビの原因になってしまうことも少なくありません。例えば、肌を清潔にしようと一日に何度も顔を洗ったり、クレンジングや洗顔のときにゴシゴシとこすったりすると、肌に必要な潤いまで落としてしまうことになります。そうすると、肌を守るために角層が厚くなったり、皮脂の過剰分泌を招いたりして、毛穴が詰まりやすくなってしまうのです。
一方、肌にメイクや汚れが残っていることも、ニキビを引き起こす原因になります。きちんとメイクを落としながらも潤いは保てるよう、メイク落としにも気を配る必要があります。
偏った栄養バランス
偏った栄養バランスや不規則な食生活は、肌のターンオーバーのサイクルを乱れさせてしまいます。また、糖質や脂質の多いものやアルコールなどは、皮脂の分泌量を増やす原因になるため、ニキビが気になるときは控えることをおすすめします。
睡眠不足
肌のターンオーバーを促す成長ホルモンは、夜眠っているあいだに多く分泌されます。睡眠不足が続くと成長ホルモンの分泌量が減り、ターンオーバーのサイクルが乱れてしまうのです。
さらに、睡眠不足は抵抗力や免疫力の低下を招くため、肌でアクネ菌が増殖しやすくなってしまいます。
ストレス
肌には、潤いを保って外部の刺激から肌を守るバリア機能があります。しかし、ストレスを受けるとこのバリア機能が低下し、ニキビをはじめとしたさまざまな肌トラブルが起こりやすくなります。
紫外線
紫外線による刺激は肌を乾燥させ、角層を厚くして毛穴をふさぐ原因になります。また、紫外線によって皮脂が酸化し、毛穴を刺激してニキビができることもあります。紫外線はニキビの炎症を悪化させるおそれもあるため、適切な紫外線対策が必要です。
ホルモンバランス
ストレスや疲れ、睡眠不足などによってホルモンバランスが乱れると、皮脂の過剰な分泌を招き、ニキビの原因になります。また、女性の場合、生理周期によってニキビができやすくなることも。一般的に、月経前はホルモンバランスが乱れることが多く、ニキビをはじめとする肌荒れが起こりやすくなります。
季節の変わり目
季節の変わり目は、急激な気温や湿度の変化などによって肌が敏感になりやすい時期です。また、バリア機能の低下した肌に大気中の汚れや花粉などが付着し、ニキビなどの肌トラブルを引き起こすこともあります。
ニキビの種類

ニキビは、「白ニキビ」「黒ニキビ」「赤ニキビ」「黄ニキビ」の、大きく4種類に分けられます。各ニキビの特徴を見ていきましょう。
白ニキビ
白ニキビは、皮脂や古い角質、ほこりなどが毛穴に詰まった状態です。ポツンとした白い点に見え、見逃してしまう場合もありますが、ニキビの悪化を防ぐには白ニキビの段階で早めにケアすることが大切です。
黒ニキビ
白ニキビの毛穴が開き、メラニン色素や酸化された皮脂などによって先端が黒くなった状態が、黒ニキビです。ポツポツとした黒い点が目立ち、シミや小さなホクロのように見えることもあります。
赤ニキビ
赤ニキビは、白ニキビや黒ニキビが悪化して、炎症を起こした状態です。赤く目立ち、なかなか治りにくい傾向があります。
黄ニキビ
赤ニキビがさらに悪化して炎症が激しくなり、黄色い膿が溜まった状態が黄ニキビです。さらに重症化すると、ニキビ跡やシミにつながるおそれがあります。
ニキビ跡に注意
炎症を起こしたニキビをつぶしたり、治療せずに放置したりすると、毛穴の周りの皮膚組織にダメージを与え、ニキビ跡として残ってしまうことも少なくありません。ニキビ跡には、赤みや色素沈着、クレーターのようなでこぼこなど、さまざまなタイプがあります。
ニキビ跡ができてしまうと、セルフケアだけではなかなか消すことができないため、ニキビが悪化してニキビ跡になる前に、できるだけ早い段階でのケアを心掛けることが大切です。
また、ニキビが気になっても、自分でつぶしてはいけません。自分でニキビをつぶすと、雑菌が入ったり周囲の肌を傷つけたりして、ニキビ跡ができやすくなってしまいます。
ニキビ跡については、こちらの記事もご覧ください。
美顔器はニキビ跡や予防にも効果あり!ニキビの種類に合わせたケア
ニキビを予防するには何をしたらいい?
ニキビの発生や悪化を防ぐには、日々のケアがとても大切です。下記のポイントを心掛けながら、正しいケアを行いましょう。
正しいスキンケア
ニキビ予防の基本は、正しいスキンケアです。洗顔の際は肌にダメージを与えないように、たっぷりの泡で優しく洗い、ぬるま湯で洗い流します。また、洗った後の肌を放置していると、水分の蒸発とともに潤いがどんどん奪われてしまいますので、化粧水で水分を与えた後、乳液やクリームなどで油分を補ってください。
また、肌の乾燥やバリア機能の低下を招く紫外線ダメージを防ぐため、紫外線対策も忘れずに。紫外線は、夏だけではなく季節や天候を問わず一年中降り注いでいます。年間を通して、日焼け止めや日傘、帽子などの紫外線対策が大切です。
ニキビができたときのスキンケアについては、こちらもご覧ください。
ニキビ肌になる原因は?ニキビができた時のスキンケア方法
規則正しい生活習慣
大人ニキビを防ぐには、バランスのとれた食生活や十分な睡眠、適度なストレス発散など、生活習慣にも配慮しましょう。特に、栄養バランスの偏りなどによって便秘が続くと、腸内で増加した悪玉菌の影響で有害物質が体中に運ばれ、肌に悪影響を及ぼすことがあります。
また、寝具が汚れていると、眠っているあいだに肌にふれてニキビの原因になるおそれがあるため、寝具は常に清潔な状態を保つことをおすすめします。
ニキビ予防におすすめの美顔器
効果的なニキビ予防のひとつとして、美顔器を使ったケアがあります。美顔器にはさまざまな種類がありますが、古い角質や角栓を除去し、ニキビができにくい肌づくりをサポートしてくれるものを選びましょう。具体的には、次のような機能を持つ美顔器がおすすめです。
美顔スチーマー
美顔スチーマーは、温かいスチーム(蒸気)を肌にあてることで毛穴を開かせるため、奥に詰まった皮脂や角質が落としやすくなります。また、スチームによって肌がやわらかくなるので、その後に使う化粧水などの浸透を後押しする効果も期待できます。
ウォーターピーリング
ウォーターピーリングは、水と超音波の振動によって、毛穴汚れや古い角質を浮かせて落としやすくする機能です。洗顔やクレンジングだけではなかなか落としきれない毛穴の汚れに、効果的にアプローチできます。
イオン導出
イオン導出とは、微弱な電気を使用して毛穴の汚れなどを浮かせる機能です。毛穴の奥の汚れも、イオンの力で吸着して取り除くことができます。
ニキビができてしまったらどうする?

大人ニキビは、早い段階での対処が大切です。もしニキビができてしまったときは、状態に合わせた適切なケアや治療を行いましょう。
セルフケアできる場合の対処法
白ニキビや黒ニキビの段階で炎症がそれほどひどくない場合は、セルフケアでの対処が可能です。正しい洗顔方法で肌を清潔に保ち、食事や睡眠などの生活習慣の見直しを行いましょう。特に、肌が乾燥しているとバリア機能が低下し、ニキビが悪化する原因になります。ニキビができているときは、いつも以上に丁寧な保湿ケアをおすすめします。
なお、ニキビができている場合、基本的には美顔器などの使用は控えてください。ニキビができている肌は敏感になっているため、美顔器によるケアが炎症などを悪化させてしまうおそれがあるからです。
医療機関の受診が必要な場合の対処法
赤ニキビの炎症が長引くと、セルフケアだけでは対処が難しくなります。炎症がひどい場合やかゆみ・痛みがある場合、市販薬を使用しても治まらない場合などは、皮膚科などの医療機関へ受診することをおすすめします。
特に、赤ニキビが悪化して黄ニキビになると、ニキビ跡が残る可能性が高くなるため、できるだけ早く医療機関で治療を開始したほうがいいでしょう。
ニキビ予防は美顔器での集中ケアも取り入れよう
大人ニキビが治りにくく繰り返しできやすいのは、普段のスキンケアや生活習慣が影響しているせいもあります。正しいスキンケアと規則正しい生活習慣を心掛けてみてください。
また、ニキビ予防には、美顔器を使った集中ケアもおすすめです。毛穴に詰まった皮脂汚れや古い角質を除去できる美顔器を選び、ニキビのできにくい肌づくりを目指しましょう。